科 目 名 コンピュータリテラシー 担当教員 福本 昌弘 対象学年 1年 教 室 C-1WS 開講学期 1クォータ 曜日・時限 火・金 第1時限(専門科目演習 金 第5時限) 単 位 数 2 授業の目的  コンピュータリテラシーとは、一般的にはコンピュータの使用法を知ることである。しかし本学群では、使用法を知ることのみならず、コンピュータの利用法を身につけて道具として使いこなし文化としてのコンピュータワールドに参加できるようになることとしている。この授業では、情報システムと通信ネットワークが形作る世界に参加し、その世界観を身近なものとすることを目標とする。目標達成のため、次の2段階を踏む。  第1段階ではコンピュータを使用できるようになることを目的とする。まず、ログイン・ログアウトやWWWを用いた情報閲覧について修得する。次に文章作成を行うため、キーボード入力、日本語入力、エディタの使い方などを身につける。その過程で、システム構成とファイルの概念を学ぶ。  第2段階としては、ネットワークコミュニケーションを取り上げて重要性を理解し、その素晴らしさを十分に体得することを目的とする。ネットワークコミュニケーションに参加するためのネチケットやリスク管理を理解した後、実際に情報発信を行う。情報発信には2つの形態がある。第1の形態としては電子メールであり、この利用方法を身につける。第2の形態としてはHTMLであり、その表現法を学び、Webページ作成を行う。  最後にここで学んだことが、コンピュータシステムやネットワークシステムの中でどのように実現されているかの概略を学ぶ。そして、メディアとしてのコンピュータに興味を持ち、自発的に次の段階に向かう気持を育てる。 キーワード  ログイン、エディタ、WWW、電子メール、HTML 授業の進め方  ワークステーション室のVDI端末を用いた授業と演習を行う。 達成目標 (1)コンピュータの使用法が修得できるとともに、情報通信技術(ICT)への理解力がつく。 (2)技術者に求められる日本語能力である文章作成、自己表現、レポートの書き方などがコンピュータを通じて涵養される。 (3)ネチケットを学習することにより技術者としての倫理がわかるようになる。 授業計画 1. はじめまして  コンピュータリテラシーとは何かについて根底に流れる思想を理解する。また、今後の授業の進め方についての説明を通じて大学での授業の進め方を学ぶ。ワークステーション室のシステムならびに、ワークステーション室で守るべきルールを身につける。 2. コンピュータの利用  ログイン、ログアウトの手順を確認する。認証の重要性を理解し、個人のパスワード管理などについて学ぶ。また、アプリケーションの起動法を実習し、X Window Systemでのウィンドウ操作やメニュー操作を身につける。  教科書:第1章 コンピュータを使う前に、第2章 はじめてUNIXを使う方へ [作業課題1] 大学で用意したパスワードを各個人が設定するパスワードに変更する作業を次回に行う。授業で説明したパスワードの満たすべき条件を全て満足するパスワードを次回までに考えてくること。 3. WWW  まず最初に、パスワード変更を行う。次に、インターネットの仕組みについての概略を学ぶ。キーボード入力を伴わない情報検索(インターネット上での情報散歩)を実習し、情報散歩の手法を理解する。実用性と同時にネットワークに対する興味を持つことを目的とする。  教科書:第6章 Webページを見る 4〜5. エディタによる文書作成  エディタを起動して文字入力を行う。キーボードの基本的な使い方、タッチタイピング、エディタの編集機能について理解する。それとともに、計算機の効用(記憶、再編集等)についても概観する。  教科書:第4章 文書の作成 6. 日本語文書編集  エディタと日本語入力システムを用いた日本語入力について触れ、ローマ字による日本語入力方法や漢字変換などについて理解する。また、文章のオープンとセーブについても身につける。  教科書:4.6 日本語入力システムを使う 7. 文書とファイル  ファイルの概念とシステム構成を理解した上で、ファイル操作を身につける。また、文書ファイル形式や文字コードなどについて触れる。本質的なリテラシーの考え方に基づいた文章の書き方を学ぶ。  教科書:第3章 ファイルとディレクトリ 8.【演習1.文章表現課題】 情報学群で開講されている専門科目のシラバスをWWWで調べ、興味を持った科目の内容や他の科目との関連、情報技術への関与などについての調査と考察を行い、エディタでレポートを作成する。 9〜10. 電子メール  計算機システムが重要なメディアであることや、ネットワークコミュニケーションについて学ぶ。またネットワークコミュニケーションに参加するためのネチケットやリスク管理についても触れる。その後、電子メールアプリケーションの利用方法について、メールの送信・受信、署名の作成などを実習する。  教科書:第5章 電子メールの読み書き 11. 電子メールの活用法  電子メールアプリケーションに関し、電子メールにおけるメールの返信、メール管理、ファイルの添付について実習する。また、必要にして十分なメールを書くための方法を学ぶ。 [作業課題2] 指示された宛先にメールを送信する。また自分宛に来たメールに対してコミュニケーションが成立するように返信する。 12.【演習2.ネットワークコミュニケーション課題】 教員宛に情報ネットワーク利用に関する情報を連絡するためのメールを送信する。本課題を通じて、高知工科大学情報システムによるネットワークコミュニケーション、および、日本語コミュニケーションの実力を養う。 13. 図形描画  図形描画ツールを用いた図形描画を行う。また、図形ファイルの出力形式とそのファイルの利用法について学ぶ。図形も表現形式のひとつであり、効果的な表現について考える。  教科書:7.1 図形形式とファイル拡張子、7.2 Tgifの使い方 14. HTML文書  まず、情報発信の形態としてのWWWについて触れ、メディアリテラシーの概念を学び、マークアップ言語であるHTMLの基本について理解する。次に、文章の構造を与える形式のマークアップ言語の概念、および、画面レイアウト・文書装飾等に必要なタグについて理解する。  教科書:第8章 Webページを作る 15〜16. HTML文書作成  実際にHTML文書の作成を行う。またメディアリテラシーの基本に従う見易いページとは何かについて考える。そして、アンカーとリンクの方法やその他の重要なHTML作成方法を学ぶとともに、WWWによる情報検索の方法やレポートの書き方を身につける。 更に、画像の表示方法、箇条書きなどHTML作成の技法を実習する。 17.【演習3.HTML文書作成課題】 情報システムや情報ネットワークの最近のトピックスの中から自主的にテーマを設定する。当該テーマに対する種々の意見を取り上げながら自説を展開し、 HTML文書により論説文形式のレポートを作成して提出する。内容とHTML文書(Webページ)の表現力の両観点から評価する。 18〜19.Mathematica  Mathematicaの概要・機能について触れ、プログラミングについて理解する。 20. まとめ(計算機とネットワークのしくみ)  これまでの授業で、計算機本体、および、計算機ネットワーク上のいかなる部分について学んできたかを総括し、体系的に捉える。 成績評価:  3回の演習課題の配点比率ををそれぞれ、文章表現課題:30%、ネットワークコミュニケーション課題:30%、HTML文書作成課題:40%とする。  ●AA:すべての演習課題が特に優れた内容であり、得点が9割を超えるもの  ● A:すべての演習課題が優れた内容であり、得点が8割を超えるもの  ● B:すべての演習課題が正しい内容であり、得点が7割を超えるもの  ● C:すべての演習課題を概ね正しい内容で提出できるもの 教科書: 「デスクトップLinuxで学ぶコンピュータ・リテラシー」, 九州工業大学情報科学センター 編(朝倉書店, 2013)  ISBN978-4-254-12196-4 C3041 参考書: 「コンピュータリテラシ ー情報環境の使い方ー」, 東京工業大学全学情報科目実施委員会 編(昭晃堂, 2001)  ISBN978-4-7856-3131-4 C3004 授業外学修(予習・復習): ・授業の準備として、授業計画に示す教科書の範囲を読んでから出席すること。 ・授業後にはノートを整理して授業内容の理解を深めること。 履修上の注意: ・情報学群 履修登録必須科目 ・履修の前提となる必須科目=なし ・事前の履修が望ましい科目=なし ・この科目を再履修できるのは、病気や休学など特段の事情がある場合、もしくは、教員が特別に認めた場合に限られ、一般には再履修はできない。 ・授業内容は情報学群の学生向きに特化している。よって、他学群からの履修は認めない。 ・クラブ・サークル等の活動での欠席については、オリンピック、ワールドカップなどの国際的な大会以外では特に配慮しない。ただし演習課題提出日の欠席については、事前に欠席届とは別に相談があれば考慮する場合がある。 ・この授業のより詳細な情報は  http://www.info.kochi-tech.ac.jp/mfukumot/Lecture/CL/index.html  に掲載する。 ・オフィスアワー: 毎週火曜日 第5時限(16:20〜) A418教員室/A357研究室