◆科目番号: 4026 ◆開講年次: 2 ◆単位数: 2 ◆区分: 専門科目−情報処理 ◆科目名: 数値計算法 Numerical Methods ◆担当教員名: 福本昌弘 講義目標及び講義概要: 数学的な手法をコンピュータを用いて計算するためには、その手順を計算機言語で表現す るプログラミング技術とともに、手順を実行するためのアルゴリズムが必要である。本講 義は、数学の理論を、「計算機言語」や「情報システム工学実験1・2」などでのプログ ラミングに活用するための準備となる。本講義では数値計算について学ぶために、計算機 では離散値(2進数)を扱うため誤差が発生し伝播することを理解し、逆行列や連立1次 方程式などの線形計算や非線形方程式の解法、関数近似や補間などを効率的に計算するた めのアルゴリズムについて習得する。 本科目を履修することにより、以下の能力が身につく。 (1) コンピュータでの数値の扱いの特性を理解できる。 (2) コンピュータで数値計算を行う際の誤差の特性を理解できる。 (3) 必要とされる精度で演算結果を得るための方式について理解できる。 (4) 数学的理論を用いたソフトウェア開発を行う際に、数値計算の基礎を理解した上での プログラミングができる。 講義計画: 1.ベクトルと行列   数値計算を前提とした解法を学ぶ前に線形代数の基礎を振り返り、ユークリッド空間   の性質と行列演算についての理解を深める。 2.[演習1]線形代数におけるベクトル及び行列についての演算に関して演習を行う。 3.数値の表現と演算   コンピュータ内部での数値の表現方式と、そのもとでの演算法を習得する。 4.計算機内部の数値表現   コンピュータを用いた数値計算で問題となる様々な誤差について触れ、それらの発生   や成長などの諸性質を知るとともにその評価法について学ぶ。 5.2進数の計算   計算機内部での数値表現に基づき、実数の四則演算と2進数の四則演算との違いにつ   いて学び、コンピュータ内部での演算について学ぶ。 6.数値計算と誤差   無限級数や無理数の近似法について学び、近似誤差について理解する。 7.丸め誤差   コンピュータ上で数値を扱う際に発生する種々の誤差の性質を理解し、誤差を考慮し   た数値計算法について学ぶ。 8.[演習2]2進数の表現と演算、誤差についての演習を行う。 9.連立1次方程式の直接解法   行列形式でAx=bと表されるn元連立1次方程式について、行列Aが正則な場合の   直接解法であるガウスの消去法をはじめとする直接解法の数値解法を習得する。 10.連立1次方程式の反復解法(Jacobi法)   n元連立1次方程式の近似解を再帰的に求める反復法であるJacobi法について習得す   る。 11.連立1次方程式の反復解法(Gauss-Seidel法)   n元連立1次方程式を反復法で求める際の問題点を理解し、Jacobi法の改良法である   Gauss-Seidel法について学ぶ。 12.[演習3]連立1次方程式の数値解法に関する演習を行う。 13.Newton-Raphson法   代数的に解が求まらないような問題の解法として反復法の有用性を理解し、その代表   的な方式であるNewton-Raphson法を習得する。 14.関数近似   測定値などを関数で近似するためには、最小2乗法を用いて正規方程式を解けば良い   ことを理解し、関数による近似法を身につける。 15.[演習4]非線形方程式の数値解法と関数近似に関する演習を行う。 16.関数補間   補間多項式を用いて、離散的な値を通るような関数の求め方を理解し、代表的な補間   法であるラグランジュ補間法を習得する。 17.スプライン関数   ラグランジュ補間法の問題点を議論し、スプライン関数による補間が有効であること   を考え、自然スプライン関数による補間法を学ぶ。 18.[演習5]関数補間法に関する演習を行う。 19.試験   数値計算法と誤差に関する総合的な試験を行い修得状況の評価を行う。 自筆ノートのみ持ち込み可とする。 20.まとめ   試験の結果を確認した後、模範解答を参考にしながら本講義で学習したことを振り返   る。 テキスト:『応用解析セミナー 数値計算』,大石進一著(裳華房, 1999)      ISBN4-7853-1514-8 参 考 書:『新数学講座 数値解析』,一松信著(朝倉書店) 成績評価:試験50点、演習50点(10点×5回)の合計100点で60点以上を合格とする。 備  考: JABEE「情報ネットワークシステムコース」自由選択科目 事前の履修が望ましい科目=「数学3・4」