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題 目 適応信号処理における雑音の影響とその軽減法に関する研究(学位論文)
著 者 福本昌弘
発 行 東京工業大学(1995年3月)
概 要 本論文では、適応アルゴリズムの雑音下での振舞いを解析することにより、以下の成果を得ている。
1.UD分解を用いた逐次最小2乗アルゴリズムに対する量子化誤差の影響を明らかにし、ハードウェア化する際の語長の一決定法を示している。
2.直交射影行列を用いたブロック適応アルゴリズムを示しこの手法が雑音の影響を受けにくいことを誤差解析により確認している。
3.共役こう配法を適用したブロック直交射影アルゴリズムの改善方式として、雑音の影響を考慮した繰返し回数を用いる手法により、演算量の削減と大幅な特性の向上を実現している。
4.学習同定法の動作の安定性を保証し、収束速度を確率的に最速とする方法を示している。


題 目 直交射影行列を用いた安定なブロック適応アルゴリズム
著 者 大石邦夫,福本昌弘,久保田一
掲載誌 電子情報通信学会論文誌(A),Vol.J75-A,No.9,pp.1450-1457(1992年9月)
概 要 ブロック直交射影アルゴリズムは高速な追従性を有するが,雑音が存在する環境では動作が非常に不安定となり,収束速度と収束精度を両立することは困難であった.本論文では,ブロック適応フィルタの状態行列が張る空間の直交基底を修正方向とする学習同定法により実現されるブロック直交射影アルゴリズムを提案し,学習同定法と同程度の推定精度を有することを計算機シミュレーションにより示している.


題 目 UD分解を用いたRLSアルゴリズムにおけるA-D変換による語長制限の影響
著 者 福本昌弘,坪川宏,久保田一,辻井重男
掲載誌 電子情報通信学会論文誌(A),Vol.J76-A,No.11,pp.1539-1546(1993年11月)
概 要 LSI技術の進歩に伴い,ディジタル信号処理において,語長を短く抑えることはさして重要な問題ではないと考えられがちである.しかし,実時間での適応信号処理を実現するには,ハードウェアの複雑化を抑え,高速にアルゴリズムを実行することが不可欠であり,このため,A/D変換器やプロセッサの語長をできる限り短くすることが求められる.従って,語長制限の影響を明らかにし,要求される特性を満足するのに必要な語長を示すことが重要となる.そこで本論文では,まず,A/D変換による量子化誤差が,UD分解を用いた RLSアルゴリズムのパラメータ推定に及ぼす影響を解析し,収束値および収束に至るまでの更新回数の定式化を行なっている.また,収束値は A/D変換語長のみに依存し,収束に至るまでの更新回数は入力信号制限語長のみに依存することを明らかにしている.次に,収束特性を劣化させない語長の評価を行い,専用ハードウェアの一設計指針を示している.最後に,計算機シミュレーションにより,収束値および更新回数についての理論解析結果の妥当正を確認している.


題 目 雑音の影響を考慮した共役こう配法によるブロック適応アルゴリズムの一提案とその性能評価
著 者 福本昌弘,久保田一,辻井重男
掲載誌 電子情報通信学会論文誌(A),Vol.J77-A,No.1,pp.16-23(1994年1月)
概 要 ブロック直交射影アルゴリズムは,雑音のない環境では非常に優れた収束特性を示すが,雑音が存在する場合には収束速度と収束精度を両立することは困難であった.本論文では,ブロック直交射影アルゴリズムの一実現法である共役こう配法を適用したブロック直交射影アルゴリズムの収束値の評価を行い,このアルゴリズムの繰り返し回数が収束値を決める主な要因の一つとなることを示している.次に,誤差解析の結果を用い,ブロック直交射影アルゴリズムの高速性を犠牲にすることなく雑音の影響を低減するための最適な繰り返し回数を導出し,共役こう配法を適用したブロック直交射影アルゴリズムに基づくブロック適応アルゴリズムを提案している.最後に,計算機シミュレーションにより,提案した手法は雑音が存在するときにも良好な収束特性を得られることを確認している.更に,ブロック直交射影アルゴリズムに比べて演算量が大幅に軽減されることを示している.


題 目 安定性を保証した確率的最速な学習同定法
著 者 福本昌弘,久保田一,辻井重男
掲載誌 電子情報通信学会論文誌(A),Vol.J78-A,No.7,pp.778-787(1995年7月)
概 要 学習同定法は少ない演算量で実現できることから最も広く用いられている適応アルゴリズムのひとつとなっている.しかしながら,このアルゴリズムは係数更新手順中に状態ベクトルのノルムの 2乗による除算を含むため,特に音声など非定常な入力信号を扱うような場合には不安定な動作が生じ易くなる.こういった問題に対しては,安定した収束特性を得るために小さな入力信号が続いたときには係数更新を行わないという方法が知られている.そこで本論文では,まず,状態ベクトルのノルムの 2乗が設定したしきい値より小さな値になったときに係数更新を打ち切ることの効果を解析して収束値,時定数を定式化し,収束後の推定精度の保証値を示している.次に,係数更新打切りの効果に基づき,保証値を設定することにより安定性を確保した上で収束速度が確率的に最速になるようなステップゲインを導出している.最後に,計算機シミュレーションにより,提案した手法の有効性を確認し,入力信号が非定常な場合でも最も速い収束速度を実現しながら収束した後は設定した保証値通りの良好な推定精度が常に得られていることを示している.


題 目 雑音の影響を考慮した共役こう配法によるブロック適応アルゴリズムにおける安定性の改善
著 者 福本昌弘,金井剛志,久保田一,辻井重男
掲載誌 電子情報通信学会論文誌(A),Vol.J81-A,No.3,pp.318-327(1998年3月)
概 要 共役こう配法を適用したブロック直交射影アルゴリズムの誤差解析結果に基づいて導出された BCGM-ORアルゴリズムは,共役こう配法の繰返し回数を最適化することにより,演算量を軽減すると同時に雑音下での収束特性を大幅に改善している.しかしながら,この手法では直交射影型の適応アルゴリズムが本質的に抱えている,入力信号の大きさの変動に起因する不安定な動作への対策が必要となる.既に,筆者らはブロック直交射影アルゴリズムのブロック長を 1 とした場合である学習同定法に関して,状態ベクトルのノルムが設定したしきい値よりも小さくなったときに係数修正を停止する方式により,保証値(収束後の推定誤差の上限)が得られることを示している.本稿では,この手法に基づき,まず,係数更新打切りを行う場合の BCGM-ORアルゴリズムにおける保証値を定式化している.次に,その保証値を満足するためのしきい値を明らかにし,保証値付き BCGM-ORアルゴリズムを示している.最後に計算機シミュレーションにより,提案した方式が雑音の存在下においても良好な収束特性を示し,特に非定常な入力信号に対して動作の安定性が優れていることを確認している.


題 目 確率的最速な保証値付き BCGM-OR アルゴリズム
著 者 福本昌弘,金井剛志,久保田一,辻井重男
掲載誌 電子情報通信学会論文誌(A),Vol.J82-A,No.3,pp.306-316(1999年3月)
概 要 共役こう配法を適用したブロック直交射影アルゴリズムの繰返し回数を最適化し,動作の安定性を保証した保証値付き BCGM-OR アルゴリズムは,保証値を設定することにより推定誤差の上限が与えられ,ブロック直交射影アルゴリズムの優れた追従性を損うことなく推定精度を大幅に向上している. 一方,ブロック直交射影アルゴリズムのブロック長を 1とした場合の学習同定法については,既に,保証値を設定した上で収束速度を最大にするステップゲイン(確率的最速ステップゲイン)が示されている. 本稿では,学習同定法に対する確率的最速ステップゲインをもとに,保証値付き BCGM-OR アルゴリズムに同様の手法を導入した方式を提案し,その有効性を確認している.


題 目 安定性を保証した確率的最速な学習同定法の簡略化
著 者 福本昌弘,久保田一,辻井重男
掲載誌 電子情報通信学会論文誌(A),Vol.J84-A,No.3,pp.269-277(2001年3月)
概 要 学習同定法は,係数更新手順中に状態ベクトルのノルムの 2乗による除算を含むことから,特に非定常な入力信号を扱う場合に不安定な動作が生じ易くなる. これに対し,状態ベクトルのノルムが設定値より小さくなったときには係数更新を行わない方法が知られており,著者らは既にこの方式を用いた場合の推定誤差の上限(保証値)および収束速度を確率的に最大にするステップゲイン(確率的最速ステップゲイン)を示している. 本論文では,動作の安定性の基準として導入した保証値を $S/N$ に対応した値に設定することにより,確率的最速ステップゲインを用いた学習同定法を簡略化する方式を提案している. これにより,従来の方式で必要としていた観測雑音の分散を用いることなく実現することを可能にしている. 更に,計算機シミュレーションにより提案する手法の有効性を確認している.


題 目 安定性を保証した学習同定法のステップゲインの上限
著 者 福本昌弘,久保田一,辻井重男
掲載誌 電子情報通信学会論文誌(A),Vol.J87-A,No.9,pp.1196-1204(2004年9月)
概 要 学習同定法で不安定な動作が生じるという問題に対し,状態ベクトルのノルムがしきい値以下になったときに係数更新を停止する方法が知られており,筆者らは既にこの方式を用いた場合の推定精度の上限(保証値)及び確率的最速ステップゲインを示している. この手法では,保証値を係数更新打切りにより実現しているため,扱う信号の性質によっては収束速度が著しく劣化する場合も想定される. 本論文では,係数更新を打ち切ることなく保証値を満足するステップゲインの上限を解析的に与えている. また,計算機シミュレーションにより示されたステップゲインを用いた場合の収束特性を確認している.


 も ど る 

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