学部で卒業する以上に、知識とスキルを身につけたい
私が大学院への進学を決意した理由は、学部で卒業するよりも知識とスキルを多く身につけてから社会に出たいと考えたからです。特に近年、理系の学生は大学院に進学することが一般的になっていると言われています。今後の就職のことを考えると、大学院を出ている人の方がキャリアアップ等の機会が多いのではないかと考え、進学を選びました。他大学の院へ進学するという選択肢もありましたが、私には学部時代から所属している岩田研究室で引き続き、岩田先生の指導のもとにレベルの高い研究を行いたいという思いがありました。そのため他大学へは進学せず、高知工科大学の大学院に進学することを決めました。
無線通信をもっと効率よく
私は現在、無線通信用高速フーリエ変換(FFT)回路の構成法の研究を行っています。近年、情報通信技術の発展に伴って、無線通信機器で授受されるトラフィックが急増しています。このトラフィックの収容能力を向上させるために、エリア面積が異なるセルを組み合わせたヘテロジニアス無線通信ネットワーク(HetNet)技術が検討されています。HetNetでは、セルサイズに応じて異なる無線通信方式を採用しているため、基地局や端末はこれらの複数の無線通信方式を扱える必要があります。現在はそれぞれの通信方式を扱うために、専用回路をそれぞれ用意して処理しています。これに対して、複数信号を一つの回路で受けて処理することにより、専用回路の面積等を削減できると考えています。
自己研鑽に励む日々
大学院へ進学すると、学部とは違い自分で考えて行動することが多くなります。学部生は与えられたことをやることが多いと思いますが、大学院生になると、与えられることは少なくなり、自分で考えて自己研鑽していく必要があります。しかし、大学院生ならではの貴重な経験をすることもできます。例えば私はM1の時点で、ラスベガスで行われた学会において研究成果を発表することができました。そのほかにも、TAで後輩の指導を行うことを通じて改めて自分の知識理解を深めることができたと実感しています。