2023年度 符号理論 試験問題

高知工科大学 情報学群

2023年 7月25日

試験の注意


問 1. $GF(2)$上の多項式 $f(X) = X^4 + X^3 + 1$ を法とする有限体(ガロア体)$GF(2^4)$ について、以下の問いに答えなさい。 ただし、$f(X)=0$の根を$\alpha$とする。

(1)  べき表現 $\alpha^4$ の多項式表現を求めなさい。
(2)  べき表現 $\alpha^5$$\alpha^6$$\alpha^7$ の多項式表現を求めなさい。


問 2. $m$を正整数(自然数)として、2元符号の最小(ハミング)距離が

$\displaystyle d_{\min} = 2^m + 1$    〔ビット〕 $\displaystyle (m=1,2,\cdots) $

であるとき、以下の問いに答えなさい。

(1)  $m=2$のとき、誤り検出は何ビットまで可能か求めなさい。
(2)  誤り訂正は何ビットまで可能か求めなさい。


問 3.  (8,4)ハミング符号の情報ビットを [ $x_1$ $x_2$ $x_3$ $x_4$ ]として、 検査ビット [ $p_1$ $p_2$ $p_3$ $p_4$ ]が

$\displaystyle \left[
\begin{array}{r}
p_1 \\ p_2 \\ p_3 \\ p_4
\end{array} \...
...ght]
\left[
\begin{array}{r}
x_1 \\ x_2 \\ x_3 \\ x_4
\end{array} \right]
$

により求められるとき、以下の問いに答えなさい。
ただし、符号語ベクトルは [ $p_1$ $p_2$ $p_3$ $p_4$ $x_1$ $x_2$ $x_3$ $x_4$ ]のように示されるものとしなさい。

(1)  情報ビット [ 1 1 0 0 ] を符号化した符号語ベクトルを求めなさい。
(2)  情報ビット [ 1 1 0 1 ] を符号化した符号語ベクトルを求めなさい。
(3)  受信語ベクトル [ 0 1 0 0 1 1 0 1 ] の誤りの有無を調べ、誤りが有る場合は誤り訂正した符号語ベクトルを求めなさい。


問 4.  生成多項式を $x^4 + x^3 + 1$ とする $(8,4)$巡回ハミング符号について以下の問いに答えなさい。

(1)  情報ビット ( 1 1 0 1 ) を巡回ハミング符号化した符号語ベクトルを求めなさい。
(2)  受信語ベクトル ( 0 1 0 0 1 1 0 1 ) の誤りの有無を調べ、誤りが有る場合は訂正した符号語ベクトルを求めなさい。


問 5.  10ビットの情報ビットに対して巡回ハミング符号を用いて誤り訂正や誤り検出する場合について、
以下の問いに答えなさい。

(1)  この巡回組織符号の生成多項式として $x^4 + x + 1$ が適していることを説明しなさい。
(2)  (1) で示した生成多項式を用いたときに、CRCにより誤りを検出できる場合について説明しなさい。
(3)  (1) で示した生成多項式より次数を1大きくした(5次)生成多項式を用いると、 誤り訂正能力と CRCによる誤り検出能力はそれぞれどのように変わるか説明しなさい。