2024年度 符号理論 試験問題

高知工科大学 情報学群

2024年 7月23日

試験の注意


問 1. $f(X) = X^5 + X^2 + 1$ を原始多項式とする有限体(ガロア体)$GF(2^5)$ について、以下の問いに答えなさい。 ただし、$f(X)=0$の根を$\alpha$とする。

(1)  べき表現 $\alpha^5$ の多項式表現を求めなさい。
(2)  べき表現 $\alpha^6$$\alpha^8$ の多項式表現を求めなさい。
(3)   $X^3 + X^2 + 1$$X^3 + X$ の乗算をしなさい。


問 2. $p$を素数として、2元符号の最小(ハミング)距離が

$\displaystyle d_{\min} = p$    〔ビット〕 $\displaystyle $

であるとき、以下の問いに答えなさい。

(1)  この2元符号の誤り検出能力について説明しなさい。
(2)  この2元符号の誤り訂正能力について説明しなさい。


問 3. (10,6)ハミング符号の検査行列 $H$

$\displaystyle H
=
\left[
\begin{array}{rrrr rrrrrr}
1 & 1 & 1 & 1 & 0 & 1 &...
...0 & 0 & 1 & 0 \\
1 & 1 & 1 & 0 & 1 & 0 & 0 & 0 & 0 & 1
\end{array} \right]
$

と与えられるとき、以下の問いに答えなさい。

(1)  情報ビット [ 0 1 0 1 0 1 ] を符号化した符号語ベクトルを求めなさい。
(2)  受信語ベクトル [ 1 0 0 0 1 0 0 0 0 1 ] の誤りの有無を調べ、
誤りが有る場合は誤り訂正した符号語ベクトルを求めなさい。


問 4. 6ビットの情報ビットを符号化率がもっとも高くなるように巡回ハミング符号で符号化する場合について、以下の問いに答えなさい。

(1)  次の $GF(2)$上の多項式のうち、生成多項式として適しているものを選びなさい。

$\displaystyle \{ x+1, x^2+x+1, x^3+x+1, x^3+x^2+x+1, x^4+x^3+1, x^5+x^3+1, x^6+x^5+1 \} $

(2)  (1) で選んだ生成多項式を用いて、情報ビット ( 0 1 0 1 0 1 ) を巡回ハミング符号化した符号多項式を求めなさい。
(3)  (2) で求めた符号多項式に、誤り多項式 $E(x) = x^5$ を付加した受信多項式の誤りを訂正しなさい。


問 5. 生成多項式 $G(x) = 1 + x^2 + x^5$ を用いて構成された (9,4)巡回ハミング符号によって誤り訂正などする場合について、以下の問いに答えなさい。

(1)  [ 0 0 1 1 1 ? ? ? ? ] のように、 第1ビットから第5ビットはわかっているが、残りの4ビット(第6ビット以降)は不明な場合について、 正しい符号語を求めなさい。 ただし、第1ビットから第5ビットに誤りはないものとする。
(2)  この(9,4)巡回ハミングを使うと、何個まで不明なビットを復元可能か説明しなさい。
(3)  この(9,4)巡回ハミング符号の最小(ハミング)距離と誤り訂正能力について説明しなさい。