◆科目番号: 4004 ◆開講年次: 2 ◆単位数: 2 ◆区分: 専門科目−専門基礎科目 ◆科目名: 確率・統計 Probability and Statistics ◆担当教員名: 福本昌弘 講義目標及び講義概要:  通信や情報システムでは、ディジタル信号、アナログ信号など様々な形式の信号が取り 扱われており、これらを有益な情報として利用するためには、その信号の性質や振舞をと らえ、数学的に記述することが不可欠である。確率や統計の知識はこれらの有効な一助と なる。  本講義は、共通基礎科目である「微分積分学」で修めた初歩的な数学をもとに、情報理 論や情報通信をはじめとする情報システム全般で必要とされる、確率や統計的推定といっ た数学的な基本を修得し、専門科目での応用のための基礎を築く。  本講義では、まず確率分布や期待値、分散などの基本的なことがらを学んだ上で、大数 の法則や中心極限定理などの確率に関する有用な諸性質を理解し、更に、与えられたデー タの有する性質から必要な情報を得るための統計的手法を習得する。そして、情報量につ いて理解し、情報理論の基礎を学ぶ。  本講義を履修することにより、以下の能力が身につく。 (1) 確率の定義をとらえられる。 (2) 2項分布、Poisson分布、正規分布などの基本的な確率分布を扱える。 (3) 与えられたデータから最尤推定値を求めることができる。 (4) 情報量やエントロピーと確率との関係を理解できる。 (5) 通信路符号化をはじめ、情報通信で確率論を応用することができる。 講義計画: 1.確率論の応用   確率論は、誤り訂正など情報・通信分野で広く用いられていることを知り、具体的な  例により、その重要性を理解する。 2.集合・事象   確率の概念を理解するために必要となる集合について学び、事象に関する定義を整理  しておく。 3.条件付き確率・ベイズの定理   条件付き確率について理解し、そこからベイズの定理を導く。 4.確率変数   確率的な現象を理解するための準備として確率変数について学ぶ。 5.[演習1]確率に関する基本的な概念に関する演習を行う。 6.Bernoulli試行   事象として成功と失敗しかとらないような独立な試行を繰り返した場合(Bernoulli 試行)の確率について理解し、順列と組合せの用い方を習得する。 7.確率分布   確率分布と分布関数について学び、最も基本的な確率分布である2項分布に触れる。   また、2項分布の極限をとることにより、より多くの試行を繰り返した場合の確率分  布であるPoisson分布について学ぶ。 8.正規分布   連続的な確率分布である正規分布について学び、正規分布表を用いた物理現象の解析  について触れる。 9.[演習2]確率分布に関する演習を行う。 10.期待値・分散   確率分布の性質を知るための量としての期待値、分散、標準偏差について学ぶ。 11.確率分布の性質   期待値や分散などの量から種々の確率分布についての性質を理解する。 12.[演習3]期待値、分散に関する演習を行う。 13.確率の法則   確率不等式について学んだ後、独立試行に対する確率変数の和の期待値についての性  質から大数の法則を習得する。 14.中心極限定理   多数回試行の場合の確率変数の和の確率分布に関する性質である中心極限定理を理解  し、正規分布の諸性質を身につける。 15.[演習4]確率の法則に関する演習を行う。 16.統計的推定   標本抽出によって得られたデータから母集団の情報を得るための統計的推定について  学び、最尤推定法を習得する。 17.情報理論   エントロピーと情報理論における情報量の定義を理解し、通信路符号化の基本につい  て学ぶ。 18.[演習5]最尤推定法と情報理論に関する演習を行う。 19.試験   確率と統計的推定および情報理論に関する総合的な試験を行い修得状況の評価を行う。   自筆ノートのみ持ち込み可とする。 20.まとめ   試験の結果を確認した後、模範解答を参考にしながら本講義で学習したことを振り返 る。 テキスト:『統計学の基礎』,栗栖忠,濱田年男,稲垣宣生 共著(裳華房,2001) ISBN4-7853-1525-3 参 考 書:『工学のための数学5 確率』,松葉育雄著(朝倉書店, 2001) 『理工系の数学入門コース7 確率・統計』,薩摩順吉著(岩波書店,1989) 成績評価:試験50点、演習50点(10点×5回)の合計100点で60点以上を合格とする。 備  考: JABEE「情報ネットワークシステムコース」必修科目 事前の履修が望ましい科目=「数学1・2」