第4回(10月11日)の講義

§2 自然数
 [C]自然数の加法と減法
 [D]自然数の乗法
 [G]数学的帰納法の例
 [H]数学的帰納法の原理

【今日の要点】
 自然数の減法(引き算)は,結果も自然数であるようにするため,大きな数から小さな数を引くことしかできない。そこで,部分集合の差集合から引き算の意味を説明することになる。一方,自然数の乗法(かけ算)は,直積集合から自然に定義できる。
 差集合や直積集合という考え方は,自然数の減法や乗法を説明するために無理矢理定義したものではなく,今後いろいろなところで利用される。十分理解しておくように。そのために練習問題や演習問題がある。

 今日の講義のもう一つの話題は数学的帰納法。自然数の定義からその原理が説明されている。演習問題の中に数学的帰納法を利用して解く問題がある。また,講義ノート p.14 の[練習問題 I]も考えて見よ。ただし,問題 [3] は少し難しい。また,[研究課題 J]にもチャレンジして欲しい。

 4回目の講義を終わって,段々「取り残される!」という思いの学生が増えてくる。ここで頑張って,講義ノートの練習問題や授業中に配布する演習問題を一つずつ片づけていこう。試験の前にいくら「一夜漬け」をしても無駄である。今のうちから一つずつ問題を解いていくように...。
[ところで,君は「一夜漬け」という言葉の本来の意味を知っていますか?]


【今日の Quiz】演習問題 2-4
 「2以上のすべての自然数 n について,n3 - 4n は3の倍数であることを証明せよ。」

[1] これは演習問題なので,ここには数学的帰納法を用いた解法は書かない。

[2] 数学的帰納法を用いない解法:与えられた式は次のように変形できる。
  n3 - 4n = n3 - n - 3n = n(n - 1)(n + 1) - 3n
右辺の第一項は連続する3つの整数であり,その中には必ず3の倍数があるので,第一項の n(n - 1)(n + 1) は3の倍数である。 また右辺の第二項は明らかに3の倍数。よって,n3 - 4n は3の倍数である。

[3] 問題では n は2以上となっているが,実は n は0や1でもやはり n3 - 4n は3の倍数になる。n = 0 のときは n3 - 4n = 0 であり,n = 1 のときは n3 - 4n = -3 となる。3の倍数とは,3と(自然数ではなく)整数の積で表される整数のことなので,0はもちろんのこと,-3 も3の倍数である。


【今日のアンケート】
 現時点で,大学院進学についてどう考えているか?
  B:学部卒業まで  M:修士課程まで  D:博士課程まで

 前回のアンケート同様,情報システム工学科の1年生とそれ以外に分けて集計した。
 情報システム工学科1年生の回答総数は81人で,その内訳は次のようになった。
  B:56(65%) M:23(26%) D:2(2%) その他:6(7%)
上の“その他”には,無記入および2つ以上の回答記号を書いた場合を含んでいる。何の前触れもなくこんな質問が出たので考えがまとまらなかった人たちであろう。
 また,情報システム工学科1年生以外の回答総数は22人で,その内訳は次のように なる。
  B:17(77%) M:1(5%) D:2(9%) その他:2(9%)

 我々教員としては,もう少し多くの学生諸君が大学院へ進学してくれることを望んでいる。大学院進学率は40%程度になってほしいと思っている。ただし「何となく大学院へ行こうと思う...」というのはダメである。これから専門科目を学んでいく過程で,特に興味のわく科目あるいは分野を見つけ,その勉強を更に2年間(あるいは5年間)続けたいという強い意志をもつようになって欲しい。大学院へ進むことで,学部卒業時より2年分(あるいは5年分)のより深い知識と技術者としての自覚が身につかなければ意味がない。そういった実力がついていないと,企業に就職する際に評価されない。


Last modified: Wed Oct 24 10:06:39 JST 2001