第7回(10月23日)の講義

◎ 演習問題 pp.5-6 §4&5 を配布

§4 実数
 [A] 実数の定義と諸法則 の後半
 [B] 分数
 [C] 小数

【今日の要点と補足】
 最初に,今までに何度も繰り返してきた次のストーリーを説明した。
 まず『(2項)演算』とは,ふたつの数から新しい数を作り出す法則である。次に,その演算に関して単位法則を満たす特別な要素を『単位元』と呼ぶ。(演算によっては単位元が存在しない場合もある。)もし演算が単位元をもつなら,各要素 x に対して x の『逆元』と呼ばれる要素を決めることができる場合がある。(演算の種類や要素によっては逆元を持たない場合もある。)
 実数の集合の上で定義される加法や乗法について,上のストーリーを当てはめてみる。
 まず実数の上の加法については,単位元は 0 である。実数 x の加法についての逆元は -x であり,これを講義ノートでは反数と呼んでいる。一方乗法については,単位元は 1 である。乗法についての逆元は x-1 であり,これは逆数のことである。ただし,加法の単位元 0 の逆数は存在しない。

 次の話題は,おなじみの分数と小数である。よく知っている分数や小数を今更ながら難しく定義しているように思えるかもしれないが,我慢してじっくり講義ノートを読んでみてほしい。
 有限桁で表現できる有限小数は,0でない最後の桁から1を減じて,その後ろに9を無限個並べた無限小数と考える。[ちょっと無理矢理という感じがする。例えば,100 は有限桁で表現されている数だが,これは 99.999… と考えなさいということである。]
このようにして有限小数を(無理矢理)無限小数にしてしまうと,無限小数で表現される数が実数であり,その無限小数が循環するときそれは有理数,循環しないときは無理数であるということになる。また循環小数は分数で表現できるので,有理数とは分数で表現できる数ということにもなる。


【今日の Quiz】
 循環小数 0.0666…,1.2333…,0.1232323… を既約分数に直せ。

[0] この文章の中では,循環節を表す数字の上につける点や分数を横棒の上下に表記することはできないので,以下の計算式は多少見づらくなってしまうが,了解して欲しい。ここでは,循環節は同じものを3回繰り返しその後ろに『…』をつける。また,分数は『m/n』の形で書く。

[1] 0.0666…=(1/10)×(0.666…)=(1/10)×(6/9)=..(途中省略)..= 1/15

[2] 1.2333…=1.2+0.0333…=(12/10)+(1/10)×(0.333…)
      =(6/5)+(1/10)×(3/9)=..(途中省略)..= 37/30

[3] 0.1232323…=0.1+0.0232323…=(1/10)+(1/10)×(0.232323)
         =(1/10)+(1/10)×(23/99)=..(途中省略)..= 61/495

[4] この種の問題のポイントは,循環する部分と循環しない部分をまず分離すること。次に,循環する部分を何倍(あるいは何分の1)かして,純循環小数を取り出し,純循環小数は Robertson の方法で分数に直す。あとは分数の計算を間違わずに行い,最後に約分を忘れないようにすればよい。

[5] 約分をおこなうとき,次のことを知っておくと便利である。(証明を試みてみよ!)
・2で割り切れるのは,一の位が偶数のとき(これは常識! 理由は10が2で割り切れるから)
・3で割り切れるのは,すべての桁の数字の和が3で割り切れるとき
 [例えば 123456 なら,1+2+3+4+5+6=21 だから3で割り切れる。562 なら,5+6+2=13 だから 562 は3では割り切れない]
・4で割り切れるのは,下2桁が4の倍数のとき
・5で割り切れるのは,一の位が0か5
・6で割り切れるのは,偶数でかつ3の倍数のとき(これも当然!)
・8で割り切れるのは,下3桁が8の倍数のとき
・9で割り切れるのは,すべての桁の数字の和が9で割り切れるとき
・11で割り切れるのは,一・百・万・百万...の桁の数字の和と,十・千・十万・千万...の桁の数字の和の差が11の倍数のとき(0は11の倍数であることに注意)
 [例:230154 なら,2+0+5=7 であり,一方は 3+1+4=8 なので,これらの差は1でこれは11の倍数ではない。従って,230154 は11で割り切れない。ところが 230153 は11の倍数である。また,4081 の場合は,4+8=12,0+1=1 で12と1の差は11の倍数なので,4081 は11の倍数である。]

[6] 上の知識を使って次の問題(講義ノート p.27 練習問題D [1] (5))を解いてみよう。
0.076923076923076923…= 76923/999999 ... 76923 は9の倍数だから9で約分できる ...
            = 8547/111111 ... 分子も分母もまだ3で約分できるぞ ...
            = 2849/37037 ... 今度は11で約分できる ...
            = 259/3367 ... 2ではダメ,3でもダメ,...,7で約分できる ...
            = 37/481 ... 37は素数なので,あとは分母が37で割れるかどうか ...
            = 1/13 ... これ以上の約分はできない! ...


【今日のアンケート】
 この授業を受けるために,およそ何時間ほど『自宅学修』をしているか?
  A:30分以内  B:30分〜1時間  C:1時間〜2時間  D:2時間以上

 いつものように,情報システム工学科の1年生とそれ以外に分けて集計した。
[情報システム工学科1年生]
  A:45(55%) B:28(33%) C:7(8%) D:4(4%) 回答なし:1
[情報システム工学科1年生以外]
  A:11(53%) B:7(33%) C:3(14%) D:0(0%) 回答なし:0


【中間試験について】
 当初の予定通り 11月6日(火) に中間試験を実施する。範囲は§1から4まで。§5の複素数は試験範囲から除外する。試験をする教室は2つを予定しているが,詳細は追って連絡する。
 試験には『自作レジュメ』を1枚持ち込んでよい。大きさはA4用紙。何色を使ってもかまわない。ただし,ワープロ等の出力,コピーされたものはダメ。これらを持ち込んでいる場合は“単位認定試験における不正行為”とみなす。その場合は該当するクオーター(今回は第3クオーター)に履修登録されているすべての科目の単位が取り消される。11月6日の段階ではまだ成績は出ていないが,すべての科目の履修自体が無効になる。
 このレジュメ(レジュメとは要約・概要というような意味。就職希望者の履歴書を 指すこともある)を自分で作成することに意味がある。友達が作ったものを書き写す のではなく,自分で作ることが重要である。もちろん,友達が作ったものを見て,良 いところを参考にするのは問題ないだろう。


Last modified: Wed Oct 24 14:49:01 JST 2001