[第2回演習:関係と関数]
1.正整数の集合 N 上の関係 R を,等式 2x+3y=30 で定義する。すな わち,R={(x, y):2x+3y=30} とする。次の問いに答えよ。
(1) 関係 R に属する要素(正整数の順序対)をすべて列挙せよ。
R={(3, 8), (6, 6), (9, 4), (12, 2)}
← 正整数の集合上で考えているので (0, 10) や (15, 0) は入らない。
(2) 関係 R の定義域,値域,および R の逆関係 R-1 を求めよ。
R の定義域={3, 6, 9, 12},R の値域={8, 6, 4, 2}
R-1={(8, 3), (6, 6), (4, 9), (2, 12)}
(3) 合成関係 R
οR を求めよ。R
οR={(6, 6)}
2.正整数の集合 N 上の関係 E を『正整数 a と b の和が偶数のとき, aEb である』と定める。
(1) 関係 E は同値関係であることを示せ。
○ どんな正整数 x であっても,x+x=2x なので和は偶数である。すなわち,す べての x について xEx であるから,関係 E は反射的である。
○ x+y が偶数なら y+x も偶数である。従って関係 E は対称的である。
○ x+y が偶数でかつ y+z も偶数であるとする。もし y が偶数なら x と z も 偶数であり,もし y が奇数なら x と z も奇数である。従って,いずれの場合でも x+z は偶数になる。つまり推移的である。
(2) 商集合 N/E を求めよ。
N/E=[{1, 3, 5, ...}, {2, 4, 6, ...}]
すなわち,関係 E によってすべての正整数の集合 N は奇数の集合と 偶数の集合に分割される。
3.A={1,2,3,4},B={a,b,c,d},C={α,β,γ},D={6,7,8,9} で あるとする。次のような関数 f,g,h,k を考える。
f:A → B f(1)=b,f(2)=c,f(3)=b,f(4)=c
g:B → C g(a)=β,g(b)=γ,g(c)=α,g(d)=γ
h:C → D h(α)=y,h(β)=x,h(γ)=z
k:D → E k(x)=9,k(y)=7,k(z)=6
(1) 4つの関数のなかで,1対1(単射)であるのはどれか。[答:h と k]
(2) 4つの関数のなかで,上への関数(全射)であるのはどれか。[答:g と h]
(3) 合成関数 g
οf は次のように表すことができる。g
οf:A → C (gο f)(1)=γ,(gοf)(2)=α,(gοf)(3)=γ, (gοf)(4)=α合成関数 h
οg をこの形式で表せ。答 h
οg:B → D (hο g)(a)=x,(hοg)(b)=z,(hοg)(c)=y, (hοg)(d)=z(4) 関数 h の逆関数 h-1 はどのような関数になるか。 h-1 を上で関数を定義した形式で表せ。
答 h-1:D → C h-1(x)=β, h-1(y)=α,h-1(z)=γ