第1回(4月8日)の講義

-『初等代数学』で学ぶこと-

◎この講義の目標は二つ ... “代数系”と“ブール代数”を理解すること

◎“代数系”の話はしなかったが,“2項演算”の具体例をいくつか示した。

 演算とは,数の四則演算には限らない。
 2項演算とは,2つの要素が与えられたらその演算結果を1つ定める規則である。
 単項演算とは,1つの要素が与えられたらその演算結果を1つ定める規則である。

[例]
すべての実数の集合 R を考える。
R の任意の要素を2つ選んで,それらの和をただ一つ定めることが出来る。
これは,実数の上での加法と呼ばれる2項演算である。
2つの要素を x および y とするとき,その和を x+y と書く。

 R の任意の要素を x としたとき,x+x'=0 となる実数 x' がただ一つ定 まる。
このようにして x から x' を定める規則は単項演算の例である。
(実は,x'=−x である。)

◎2種類の2項演算+と*,1つの単項演算 x',特別な要素 0 と 1 があっ て,それらが次の法則を満たすとき,ブール代数であるという。
ただし,a, b,c は任意の要素である。

[1](a+b)+c=a+(b+c),(a*b)*c=a*(b*c)
[2]a+b=b+a,a*b=b*a
[3]a+(b*c)=(a+b)*(a+c),a*(b+c)=(a*b)+(a*c)
[4]a+0=a,a*1=a
[5]a+a'=1,a*a'=0


Quiz:
ブール代数の基本法則だけを用いて a+a=a となることを示せ。
解答:
a+a=(a+a)*1
=(a+a)*(a+a')
=a+(a*a')
=a+0
=a

更に練習:
a+1=1 となることを示せ。
解答:
a+1=(a+1)*1
=(a+1)*(a+a')
=a+(1*a')
=a+(a'*1)
=a+a'
=1

更に練習:
ブール代数では次の等式が成立する。チャレンジしてみよ!
a*a=a,a*0=0,a+(a*b)=a,a*(a+b)=a


Last modified: Mon Apr 14 18:30:20 2003