第10回(7月9日)の講義

-中間試験の解答と解説-


1.5個の頂点と4本の辺からなる非連結なグラフをすべて書け。

[解答]そのようなグラフは3つある。頂点の名前を A, B, C, D, Eとする。
 グラフ1の辺集合:{{A, B}, {B, C}, {C, A}, {D, E}}
 グラフ2の辺集合:{{A, B}, {B, C}, {C, D}, {D, A}}
 グラフ3の辺集合:{{A, B}, {B, C}, {C, A}, {A, D}}

[解説]この問題では,同形なグラフを解答しても一つ分しか配点しない。


2.有限で頂点数が2個以上ある木には,次数が1の頂点が少なくとも1個は存在することを示せ。

[解答] 木であるから,頂点数を n とすると辺は n−1 本ある。頂点を P1,P2,...,Pn とし,すべての頂点の次数が2以上であると仮定すると,頂点の次数と辺の本数との関係から次式が成立する。
  2(n−1) = deg(P1)+deg(P2)+...+deg(Pn) ≧ 2+2+...+2 = 2n
 この式は明らかに矛盾である。よって,次数が1または0の頂点が少なくとも1個は存在するが,木は連結なので次数が0の頂点は存在しない。従って,頂点次数が1の頂点が少なくとも1個は存在することになる。

[解説]証明方法としてよく使われる手法の一つである背理法(結論を否定して矛盾を導く方法)を用いている。なお,グラフの辺の本数の2倍が,すべての頂点の次数の総和に等しいという定理(テキスト p.94,定理 5.1)は重要!


3.[問題のグラフは省略]
(1) 頂点 x と y の距離は4
(2) この地図の領域数は 11(10と答えた人は,外側領域を数え忘れた?)
(3) このグラフの染色数は2(つまりこのグラフは2部グラフ。2部グラフであることが次の問題へのヒントになっている。)
(4) このグラフにはハミルトン閉路が存在しない理由:
[(4) の解答]
このグラフの染色数は2なので,2色を使って実際に彩色してみると,片方の色の頂点は6個あり,もう一方の色の頂点は9個になる。2色で彩色されたグラフにおいては,どのような道であってもその道順には異なる色の頂点が交互に現れる。ところが,それぞれの色が付いた頂点の個数が異なるため,すべての頂点をちょうど一度ずつ通る閉路,つまりハミルトン閉路,は存在しえない。
[別解]
グラフ中央部に次数が2の頂点が3つある。ハミルトン閉路が存在すれば,それらの頂点を通るためにそれぞれに接続している2つの辺を必ず通るはずである。ところが,ハミルトン閉路が必ず通る6つの辺だけで閉路を構成してしまっているので,この閉路はこれら6つの頂点以外を通ることができない。従って,ハミルトン閉路は存在しない。

[解説] ハミルトン閉路が存在しないことの証明は一般に難しい。それぞれのグラフの特徴を調べて,個々に考えるしかない。その中で,上記の[解答]に示した説明は理解しやすい。そのため,『ハミルトン閉路が存在しない理由』としては,よく利用される。


4.グラフの最大次数を DG とし,グラフの染色数を χ(G)とする。また,5個の頂点集合を {A, B, C, D, E} とする。

[解答] 次の解答は一例である。
・DG−1 = χ(G) の例:辺集合={{A,B}, {A,C}, {A,D}, {D,E}},DG = 3,χ(G) = 2
・DG = χ(G) の例:辺集合={{A,B}, {B,C}, {C,D}, {D,E}},DG = χ(G) = 2
・DG+1 = χ(G) の例:辺集合={{A,B}, {B,C}, {C,D}, {D,E}, {E,A}},DG = 2,χ(G) = 3

[解説] 問題には,条件として“連結グラフ”となっていることに注意。非連結グラフでも良い場合は,辺が0本で5つの頂点だけのグラフは DG+1 = χ(G) である。


5.前置式ポーランド記法:−*3a/*bc+↑d2e


6.最小全域木の辺の長さの総和は 18

[解説]最小全域木は何種類かある。解答用紙に『辺の長さも記入すること』と注意書きしておいたが,記入されていない解答が多かった。以後,注意すること。


Last modified: Fri Jul 19 11:01:42 JST 2002