第3回(6月14日)の講義

-行列の演算-


◎行列積の復習
 ただ一つだけの要素が 1 で,他の全てが 0 であるベクトルを単位ベクトルという。
 m × n 行列 A の左から m 個の列をもつ単位ベクトルを掛けると,行列 A の特定の行(単位ベクトルの要素が 1 の行)だけを取り出すことができる。同様に,A の右から n 個の行をもつ単位(列)ベクトルを掛けると,A の特定の列だけを取り出すことができる。
 n 次正方行列で,各行各列に 1 が一つずつあり,他の全てが 0 である行列を置換行列という。
 m × n 行列 A の左から m × m 型の置換行列を掛けると,A の行を入れ替えることができる。同様に,A の右から n × n 型の置換行列を掛けて,A の列を入れ替えることができる。

◎行列を HTML でうまく表現できないので,ここでは [1 2 | 3 4] のように書くことにする。この行列の1行目は (1 2),2行目は (3 4) である。例えば,補充問題 4.33 (a) の3次正方行列を A とすると,A = [2 1 1 | 0 5 -2 | 1 -3 4] となる。
 この3次正方行列 A = [2 1 1 | 0 5 -2 | 1 -3 4] の行列式は,テキスト79ページの公式とは別に,次のようにして計算することもできる。
 まず,n 次正方行列 A の i 行目と j 列目を取り去った行列(これは (n-1)次正方行列になる)を A‹i, j› と書くことにする。上の例の場合は,A<1, 1> = [5 -2 | -3 4], A<1, 2> = [0 -2 | 1 4], A<2, 3> = [2 1 | 1 -3] などとなる。
 このとき,行列 A の行列式 det(A) は次のようにして計算できる。
  det(A) = a11 × det(A<1, 1>) − a12 × det(A<1, 2>) + a13 × det(A<1, 3>)
       = 2 × {5 × 4 − (-2) × (-3)} − 1 × {0 × 4 − (-2) × 1} + 1 × {0 × (-3) − 5 × 1}
       = 2 × 14 − 2 + (-5)
       = 21


Last modified: Fri Jun 21 13:26:32 JST 2002