◎辺行列 B:m×2の整数行列。グラフの情報をプログラムに入力する際にはこのような形式が便利。一般には,この辺行列を使って計算するということはしない。
◎隣接行列 A:m×m の 0-1 行列。多重グラフを表すことも可能だが,その場合は要素は 0 と 1 以外の値になる。第 i 行目の要素の 1 の個数が,頂点 i の次数になる。第 j 列目を考えても同じ。
◎接続行列 M:m×n の 0-1 行列。第 i 行目の要素の 1 の個数が,頂点 i の次数になることは隣接行列と同じ。
一方,どの列を考えても 1 が必ず2個ある。このことを別の形で表現すると,接続行列の任意の行を取り去っても残りの行列を見れば取り去った行を再現できる,ということになる。
もう少し具体的に説明する。あるグラフの隣接行列 M の任意の行を取り去ってできる行列を M' とする。M' の j 列目に 1 が2個あれば,取り去った行の j 列目は 0 である。もし,M' の j 列目に 1 が1個あれば,取り去った行の j 列目は 1 である。M' の j 列目に 1 が3個以上あったり,全くなかったりすることはない。従って,M' の1列目から順に調べていけば,取り去った行を作り出すことができるということである。
◎ラベル付きグラフは,ネットワーク (network) と呼ばれることもある。
◎二つのグラフが同形であるときは,それぞれの頂点数と辺の本数はもちろん同じである。また,一方のグラフに次数が3の頂点があれば,もう一方のグラフにも次数が3の頂点がある。その他のグラフ的な性質も同じになる。
例えば,補充問題 5.24 は,8個の頂点をもつ 3-正規グラフを2個書けという問題であるが,その答は図 5-35 に示されている。この二つが同形であれば2個を書いたことにならないが,一方は 5-閉路(長さが5の閉じた道)を持っているが,もう一方にはそれがないから同形ではないと説明している。