繁桝 博昭 / Hiroaki Shigemasu

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    「3次元知覚の心理物理学的検討」
     私たちの目に映る像は,網膜に投影された2次元の像ですが,私たちの目の前に見えているのは,3次元の奥行きのある世界です.網膜に映った像がどうやって3次元の世界へと変換され,知覚されているのか,その処理メカニズムを実験的に明らかにすることがこの研究の目的です.実験では,被験者に3次元映像を見せて,どのように見えるかを見えた/見えない,手前/奥などの単純な反応で計測します.そして提示した映像と反応の間の関係から,視覚系でどのような処理が行われているかを検討します.この研究法は心理物理学的手法と呼ばれています.
    「脳機能イメージングによる知覚内容の推定,およびその手法を用いた脳機能の検討」 MRIや脳波など,計測した脳の情報から自分の知覚している内容を推定するという研究を行っています.またこの手法を通じて脳のどの部分がその知覚の処理に関わっているかを検討しています.この研究は,効率的な脳コンピュータインタフェースを構築するための基礎的知見としても利用することができると考えています.

  • 先生の格言!
    「天祐自助」天は自ら助くるものを助く. 一所懸命やっていることは,必ずどこかで自分の助けとなります.なかなか先が見えないことの多い昨今ですが,自分を偽らずに誠実に物事に取り組むことが結局は自分に一番実りのあるものとして返ってくることになると思います.
  • 出身
    神奈川県
    趣味
    音楽、映画、絵画、テニス
    学歴
    東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学
    前職
    豊橋技術科学大学インテリジェントセンシングシステムリサーチセンター特任助教
    専門分野
    心理物理学、認知脳科学
役職
准教授
生年
1973年
E-mail
所属
情報学群
大学院工学研究科 基盤工学専攻 情報システム工学コース
学位
博士(心理学) (東京大学, 2005年)
学歴・職歴
東京大学文学部行動文化学科卒(1997年)
日本学術振興会特別研究員(1999年)
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程 単位取得満期退学(2002年)
東京大学インテリジェント・モデリング・ラボラトリー中核的研究機関研究員 (2002年)
豊橋技術科学大学未来ビークルリサーチセンター研究員 (2006年)
同大学インテリジェントセンシングシステムリサーチセンター特任助教(2008年) を経て現職
専門分野
視覚心理学, 認知神経科学, 認知工学
所属学会
日本視覚学会, 日本バーチャルリアリティ学会, 日本基礎心理学会, 日本心理学会, Vision Sciences Society
相談可能な領域
立体視, 立体映像, 映像酔い, 脳機能イメージング, BCI
主な社会的貢献
1. 総務省委託研究「ネットワーク・ヒューマン・インターフェースの総合的な研究開発(映像が生体に与える悪影響を防止する技術に関する研究開発)」のプロジェクトにおいて, 映像酔いをもたらす要因の検討および映像酔いを防止する技術の検討
2. 生涯教育講座 (日本眼鏡技術者協会)にて講演
現在の研究・開発領域
「3次元知覚の心理物理学的検討」
「脳機能イメージングによる知覚内容推定の手法を用いた脳機能の検討」
著書
「イラストレクチャー認知神経科学」,村上郁也(編),オーム社(2010)(分担執筆)
講義科目
学 部:感覚・神経生物学, 情報学群実験第3i/4i, 認知心理学, 学習と推論, 脳情報学
大学院:セミナー1・2・3・4, 特別研究, 特別セミナー1・2
代表的な研究論文・設計・作品・調査など
1. YABE Yoshiko,GOODALE Melvyn A.,SHIGEMASU Hiroaki:"Temporal order judgments are disrupted more by reflexive than by voluntary saccades",Journal of Neurophysiology,Vol.111,No.10,pp.2103-2108(2014)
2. TAMURA Takeshi,GUNJI Atsuko,TAKEICHI Hiroshige,SHIGEMASU Hiroaki,INAGAKI Masumi,KAGA Makiko,KITAZAKI Michiteru:"Audio-vocal monitoring system revealed by mu-rhythm activity",Front. Psychology,Vol.3,No.225,pp.1-10(2012)
3. SHIGEMASU Hiroaki,SATO Takao:"Effects of the amount of monocular shape information on stereo scaling problem",Japanese Psychological Research,Vol.54,No.1,pp.27-37(2012)
4. TSUBAKI Ikuko,SETO Mikio,HATTORI Hisao,KUMAI Hisao,SHIGEMASU Hiroaki:"Correction of Stereo Imperfections and Depth Adjustment for Visual Comfort",Proceedings of IDW'11,pp.1833-1836(2011)
5. 松嵜直幸,原澤賢充,繁桝博昭,森田寿哉,伊藤崇之,齊藤隆弘,佐藤隆夫,相澤清晴,北崎充晃:"能動的観察による映像酔いの低減",日本バーチャルリアリティ学会論文誌,Vol.15,No.1,pp.41-44(2010)
受賞歴など
基礎心理学会優秀発表賞 (1999年、2007年)