「3次元知覚の心理物理学的検討」
私たちの目に映る像は,網膜に投影された2次元の像ですが,私たちの目の前に見えているのは,3次元の奥行きのある世界です.網膜に映った像がどうやって3次元の世界へと変換され,知覚されているのか,その処理メカニズムを実験的に明らかにすることがこの研究の目的です.実験では,被験者に3次元映像を見せて,どのように見えるかを見えた/見えない,手前/奥などの単純な反応で計測します.そして提示した映像と反応の間の関係から,視覚系でどのような処理が行われているかを検討します.この研究法は心理物理学的手法と呼ばれています.
「脳機能イメージングによる知覚内容の推定,およびその手法を用いた脳機能の検討」
MRIや脳波など,計測した脳の情報から自分の知覚している内容を推定するという研究を行っています.またこの手法を通じて脳のどの部分がその知覚の処理に関わっているかを検討しています.この研究は,効率的な脳コンピュータインタフェースを構築するための基礎的知見としても利用することができると考えています.